すっかり冬も深まって寒くなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今はTUTのB3にいてます、Jinです。
技科大祭・NT名古屋へのものづくりサークルとしての出展に追われていたのもあり、8月に記事を更新して以来だいぶ空いてしまいました。そんなこんなしているうちにTUTものづくりサークルの代表になったりもしていました。
余談ですが、今年製作したバックロードホーンエンクロージャー及び各種自作スピーカーシステムについては、以下の記事にて詳しくご紹介していますので、興味があれば併せてご覧ください。
https://note.com/ample_vole1896/n/n132a20bec108
なかなか忙しいですが、万博の話なんかもこちらのブログでぼちぼち更新していくので、今後ともよろしくお願いします。今回は、TUTアドベントカレンダー14日目の記事です。昨日の記事は、えどさんの宇宙によろしくでした。
https://note.com/edo_ryu/n/nd7f13d316665?sub_rt=share_pb
今日は、2025年ももう終わりを迎えるのでその振り返りの意も込めて、研究しながら開発をする日々と題し、最近の慌ただしい生活についてお話ししようと思います。
今の私は、知り合い企業から開発の案件を受託して日頃の生活費を稼ぎつつ、授業の合間に研究室にお邪魔して実験をしたり解析をしたりしています。技科大に入る前はというと、奈良高専で同じような生活をしており、むしろ去年のその生活があったからこそ、今の私があります。
学生が、大学で研究をしながら、全く別の案件で企業の開発にも携わる。そんな生活が本当にできるのか、疑問に思う方も少なくはないでしょう。ここに至るまでどういう道筋をたどったか、まずはそこからお話ししていこうと思います。
アルバイトをしたくなかった高専時代
話は2年前、コロナ禍の直後まで遡ります。当時高専4年で、周りは当たり前のようにアルバイトで日銭を稼いでいる学生ばかりでした。今もそうかもしれません。電気技術研究会でまだ高専祭の展示品を作っていた頃の話です。

周りの家庭がどうなのかは分かりませんが、少なくとも私の家庭では、実家暮らしでも食費月1万と携帯代金、授業料、課外活動費用、教科書代等は全て自腹で出すことになっていました。大学の編入にかかる受験料、旅費、家具代などもすべて自腹でした。
奨学金があったものの、学費を賄うのがやっとであり、課外活動で高専祭の展示品を作る開発費を賄うことはできません。しかし、アルバイトはしたくなかった。アルバイトは確かにお金を稼ぐことが出来ますが、その代償に展示品の開発時間を奪われます。課外活動はその時の私にとって、命よりも大事なものでした。
そんな時代に、このブログが実は生命線になっていました。ある基板会社と基板のレビューを一か月ごとに数件投稿するという契約を結び、日銭を稼いでいたのがその頃なのです。

しかし高専5年になり、大学への編入が決まると、その次の年に控える入学料や大学での授業料、家具代や生活費などを賄うのには圧倒的に資金が不足することは確実でした。その状況に手を差し伸べるように、ちょうど編入が決まったころに、ある出会いがありました。
インターンでデバイス開発を始めた
それは大学編入の試験を終え、結果待ちとなった2024年7月のこと、Techseeker Collectionという大阪南港のATCで行われたメイカーイベントに電気技術研究会を含むTechRingプロジェクトという集まりで出展をすることになったときでした。

私はその前年より開発していたマイコンボード「Turtle Pico」を出展していましたが、それに目をつけてくれた方がいて、基板開発などに携わってみないか、というお誘いをいただいたのがすべての始まりでした。以来、その方にメールでアタックし、契約に漕ぎ着けました。
そんなこんなでインターンという形式で、技術アルバイトのようなことを始めました。といってもメイカーに働きに行っていたわけではなく、一物流企業のDX部門で、業務改善用のデバイスの試作を楽しくわちゃわちゃ作っていた感じです。
企業のオフィスの一デスクの上に、工作マットを広げはんだづけをし、出来上がったものをプレゼンしていろんな議論をする。そんな生活です。メイカーではないので、企業の中のいろんな人に面白がられて、いろんなお話をしていました。とても楽しかった。

長期休業中はフルタイムでバンバン入り、授業のある期間では、授業の合間に入る形でした。シフトの提出などもなく、連絡してスケジュールを入れておけば好きな時間にでき、勤怠で勤務時間は一元管理されているので、なかなか良い職場でした。
自分の好きな開発をお金に換えるのは、アルバイトでは経験できない、本当に良い経験になります。開発だけではなく、外部のメイカーイベントにもたくさん連れて行っていただけ、人脈も広がりました。
学校で何かを作り、たくさん外部へ公開すると、こういう人生が180°回転することになるような声がかかることもありますので、機会を逃さないことは、非常に大事です。

卒業研究との両立
この当時の私は、今の生活の原点でもありました。そういったインターンの開発だけでなく、学事では卒業研究でアンテナの研究をしていたこの頃、まさに研究と開発を両立するような生活を始めていたのです。
大学編入が決まると同時にインターンの契約も決めて、ようやく研究と開発の生活が始まりました。この頃の時間割を詳しくは覚えていないのですが、例えば月の放課後にインターン、水金は午前中の空きコマにインターン、その帰りに登校し、火~金の放課後で研究をする、といった生活をしていた記憶があります。
学校の前後にインターンがあるため、月水金は全部スーツで登校していました。また卒業研究発表のタイミングや卒論提出のタイミングはちょっとだけ研究の割合を増やしたりしていました。

他方、とあるNPOでの募金活動で神戸に行ったり、奈良にある工作教室に通ったりなど、多くの活動に精を出していました。そういった課外での活動がある日には、時間を早めに切り上げてスーツのまま関西中を走り回ったりしていました。
意外にも、こういう生活は学生でもできるもんなんですよね。正直、好きなことしかやってませんし、それで人脈も広がっていろんなお付き合いもできる。最初っから自分でできたことではなく、誰かの力を頼る必要がありますが、そんな機会もメイカーイベントの出展では獲得出来ちゃいます。
技科大への編入と受託開発の受注
さて、高専5年のそんな出来事があって、お金を稼いで大学への編入は資金面では何とかなったものの、問題がありました。それは、そのインターンは大阪でしかできないことです。つまり、大学生活にかかる最初期の金額が稼げても、継続していくのが困難であったことです。
卒業した後、これまた非常に良いタイミングでまた別の人から声がかかりました。これまた開発していたTurtle PicoのPJの方で、アドバイザーとしていろいろ教えていただいた方がいらっしゃり、その方の紹介でとある企業から開発を受託していくことになったのです。
具体的な開発などについては口外できないのですが、オーディオ関連の開発でしたし、またその企業はメイカーだったので、しっかりと技術開発といった形でした。

その話が始まったのは卒業を控える本年2月のことでした。インターンでの軽い開発から、受託でのしっかりとした開発にシフトし、新しい生活が始まろうとしていました。なお前のインターンは電気技術研究会の後輩に引き継がれ、そっちはそっちで継続されていくことになりました。
新しい技科大での生活では、奨学金と受託開発で日銭を稼ぐことはできたものの、研究室配属が一年後ということもあり、今までの生活に比べて、研究が不足していました。何よりこの大学への編入を決めたのは、興味のあった分野である神経関連の研究室が、電気系での学科でいくつかあったところです。
そこで私は、興味のあった研究室に、入学後片っ端からアタックしていきました。運よく実験に携わっていいよと言ってくれる研究室があったので、今はそこに入り浸っていろいろ教えてもらいながら、マウスの生物実験や脳細胞のセンシングなど、目標としていた分野でのプチ研究生活がスタートしました。

そうして今また研究と開発を行き来する生活を確保し、今は受託開発なので去年のような決まった時間の生活はなく、案件が来た時に土日などを使って開発を進め、基本は授業が優先となり、その空いた時間に研究室に行って研究を行っています。
また、たまにものづくりサークルで活動したりもしています。個人で今年6月のNT金沢、TUTものづくりサークルで今年10月に技科大祭とNT名古屋への出展を行い、来年1月にはKariya Micro Maker Faire 2026 への出展を控えています。
今後の目標
2025ももう終わり、2026が到来しようとしています。これまでのことをお話ししましたが、これからの目標についてここで書いておこうと思います。
まず、まだ研究室に正式に配属されているわけではないので、来年の研究室配属に向けてしっかりとGPAを確保し、希望の研究室に入れるように勉強の方を頑張っていきます。
また、受託開発の方で、一つ目の案件は9月に何とか納品が完了しました。これから新しい案件がまた入るので、どんどんといろんな開発に携わって行こうと思っています。
いろんな人との繋がりを生んだ自分にとって縁の深い基板であるTurtle Picoは、製品化も出来れば来年中にしていきたいと考えています。

そしてなんといっても、私がものづくりサークルに入って初めてのMaker Faire出展として、Kariya Micro Makre Faire 2026の出展が来年の1月17日(土)-18日(日)に控えていますので、この出展をしっかり成し遂げることも大きな目標です。刈谷で行われますので、ご都合の合う方は、ぜひ見に来てください。
さいごに
いかがでしょうか。今回はTUTアドベントカレンダー14日目の記事ということで、雑記として研究と開発を行き来する慌ただしい最近の生活について、書きなぐってみました。
こんな生活を、誰もが簡単に送れるわけではないとは思いますし、誰かにとっての大した参考になるわけでもないと思いますが、もし本気でこんな生活を送ってみたければ、何かを作ってしっかりと発信すること、そしてどんな機会も無駄にせず自分から動いて掴み取ることを、意識して活動すると良いかもしれません。
明日の記事は、あらまさんの、「とっても楽しいパズルゲームを作ったぞ!!」です。どんなゲームを作ったのか楽しみですね(*^^*)
それでは皆さん、また次の記事でお会いしましょう、Good Bye!!
