雑記

高専生はかくあるべきか?
技術と高専の深い繋がり

こんにちは、Jinです。2024年も1ヶ月が経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今日は私が所属する高専について、ある言及がSNSにおいて物議を醸した(観測範囲では)ことについて、詳述をしていこうかと思います。

当投稿については表現が不適切であったという理由から、すでに削除させていただいておりますが、その内容については詳述しておく必要があると感じたので、お付き合いいただければと思います。

技術とは、なにか

実践的技術者を養成する高等教育機関

国立高等専門学校の学校制度上の特色

と高専機構のホームページにもある通り、高専、正確には工業高等専門学校は、技術者育成を目的に様々な分野で技術について教える学校です。最初に断っておきますが、商船高専や一部の国際/ビジネス学科はこの限りではありませんので例外として省きます。

それでは、ここで言う技術とはいったい何のことなのか。技術という言葉の意味から掘り下げて考えて行きたいと思います。

  1. 科学の原理を(産業や医療・事務などの活動に)役立てて、ものを生産したり組織したりするしかた・わざ。
  2. 物事を巧みに(能率的に)行うわざ。
Oxford Languages

これはGoogle検索で一番上に出てきた引用であり、Oxford Languagesによって提供されています。このうち、高専にて学ぶ技術は、1.がメインではないでしょうか。

科学の原理を活かす、とは大雑把なので少し言い換えておくと「物理的な作用を応用してものを生産する」と言い換えられると思います。すなわち、物理的な作用を応用してものづくりをすることが技術であると言えます。

様々な技術

物理的な作用は、電気電子系や機械系に限るのではないか?と言う疑問もあるかもしれません。

しかし高専には情報系や化学系、土木・建築系の科目もあります。これらは一体どういう物理的な作用を応用しているのか。それらについて解説していこうと思います。

機械工学

機械工学については久留米工業大学さんの素晴らしい記事によって次のように説明されています。

機械工学は、力学を用いて機械の設計・製造の技術を学ぶ学問

久留米工業大学

力学は物理学の中でも代表的な分野の一つですね。他にも、エンジン等の分野であれば熱力学、電気自動車のような電気系のものであれば電磁気学/電気工学も密接に関わってくるというわけです。

電気工学

電気工学とは、電気にまつわる様々なことを研究する総合的な学問です。

久留米工業大学

ここでもまた久留米工業大学さんの記事により引用させていただきますが、電気工学は幅が広いので非常に大雑把な説明となっていますが、電気即ち電磁気学を応用する、やはり物理的な作用の産業活用となるわけです。

情報工学

情報工学とは、情報分野を工業生産に応用する学問のことを言います。もっと噛み砕けば、コンピューターを暮らしの中にどのように活かせるか研究する学問です。

久留米工業大学

同じく久留米工業大学から、情報分野の産業活用とありますが、主にコンピューターを操作して活用していく分野です。

コンピューターには様々なレイヤーがありますが、情報分野ではハードウェアよりも上のレイヤー、即ちソフトウェアにあたるレイヤーを活用していく形になります。

化学工学

化学工学は、様々な化学的、物理的変化を含むプロセスの解析、設計、開発のための工学

化学工学会

化学は物理の一分野です。化学的・物理的変化を産業利用するのが化学工学ということですから、即ち先述の技術の定義そのものではないでしょうか。

電気工学の分野で取り上げても、半導体材料化学電池など、多くのレイヤーで化学と密接に関わっています。

建築工学

Architectural engineers apply practical and theoretical knowledge to the engineering design of buildings and building systems.

Penn State College of Engineering

ペンシルベニア州立大学工学部のホームページより引用。直訳すると、建築エンジニアは実践的かつ理論的な知識を建物や建築システムの工学設計に応用する人のこと。

そして同HPには構造、機械、電気、照明、音響などの科学分野を統合し、専門知識を応用するとあります。物理の作用を応用し、様々な観点から家を建てているいることは、言うまでもありませんね。

多分野複合のものづくり

技術には先述の通り多くの分野があり、かつそれぞれが完全に独立しているというわけではありません。一つのものを作り上げるためにも、多くの分野が混ざり合って実現するのです。

最近では、学科を取り除いて広く研究するような大学院大学もあります。その代表的な一例として、昨年見学に行きました沖縄科学技術大学院大学(OIST)があります。

近年ではそういった分野横断の取り組みが非常に重要になってきているというわけです。私も少なからずそこに貢献しようと翻弄しています。弊校で立ち上げた活動「TechRing」はその一つです。

詳しい説明は弊校の研究紀要にも掲載させていただく予定で、また今後こちらのブログにて取り上げるつもりですが、やはり分野をまたいだ幅広い技術に対する視点でものづくりをしていくことは非常に重要なことです。

高専でどう生きるか

話を戻しますが、高専ではそういった多くの分野で技術を学び活用していく学校であることは、ここまでの話でおわかりいただけたと思います。

しかし多くの場合で、授業で学べるものづくりでは不十分になることがあります。それは先程の多分野複合の観点からも明らかです。一つの学科で学べることは、そんな広い技術の世界の一つの分野でしかないのです。

一つの分野を極める、という場合であれば授業で十分補えるであろう、と思われるかもしれません。しかしそれも甘いです。実践は経験あるのみで、多少なりとも技術を授業の他で触れておくことが必ず重要です。

ものづくりには明確な課題解決のプロセスが必要となるため、そういった課外での創作活動や研究活動を含む技術活動全般にたくさん触れておくことが、より一層そのプロセスを極めるための近道となるのです。

技術に興味がない高専生であれば、この記事を読んで技術に興味を持っていただければ幸いです。しかしもし興味を持てても、一歩踏み込むためのスタートダッシュがあまりに難しく、諦めてしまうこともあるでしょう。

私もそんな課題解決するべく、スタートダッシュを簡単に踏むことができるようこちらのブログ、及びTurtle Pico Kitのような作品を含む今後の創作活動で尽力していこうと思いますので、是非ご活用いただければと思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は詳しく技術についての解説と、高専生はどうあるべきか、というところに焦点を当てて解説させていただきました。

多様性を重んじ、学校では別に迷惑をかけない限りどんなことをしても構わない。その考えはもっともで、人がしている何かにいちいち言及するつもりはありません。

しかし、基本的に高専は技術を学ぶ学校であること、そして高専生は本来技術者を目指すべく高専にいるということを、忘れずに留意していただければ幸いです。

そして興味を持った人は、ぜひとも一歩を踏み出して、技術活動の幅広い世界で活躍しましょう!

それではまた次の記事でお会いしましょう!Good Bye!!

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