雑記

愛すべき電研の歴史

こんにちは、3年電気科のJinです。

冬も深まり、12月もはや23日。あと一週間で2022年が幕を閉じます。

一年過ぎるの早いですよね… 来年で私が高専に来てからもう6年目の冬を迎えることになります。

私がこの学校で活動してきたことのすべては到底このブログ1ページでは語り切れないことであり、それをすべて知る人も全て記した記録も存在しません。

今日はそんな私の高専生活の一部を占める電気技術研究会、電研という同好会の、その物語についてお話ししようかと思います。

この記事は奈良高専アドベントカレンダー23日目の記事となっています。皆さん個性あふれる記事が豊富で、自分もネタにとことん走っても良かったのですが、せっかくの機会なので馬鹿真面目に語らせてください。

電研への愛

本題に入る前に少し、電研を愛してやまない私の電研愛について語らせていただきます。

もとは私は電研という同好会について何にも知らないただの柔道少年でした。電研に来るまでの経緯は高専の軌跡についてまとめたこちらの記事に詳しくまとめてありますので、是非ご覧くださいませ。

電研とは何か、と思う人も多いと思うのでまずは少しご紹介をさせていただきます。

電研は高専祭において電気工学科の学科展に展示品を製作している同好会で、過去に高専スペースアカデミアに参加したり、ペットボトルロケットの大会にも出場しました。そして私は今その同好会の部長を2年もの間務めています。

そんな私が目指す電研の理念は、「モノだけでなく笑顔を、未来を作るモノづくり」であります。この理想をずっと抱き続け、5年間モノづくりをしてきました。

作るモノで人が笑えなければ意味がない、それによって自他共に栄え、良い未来につながらなければ意味がない、というのがこの理想です。いかにも、技術によって人を殺める兵器開発のようなモノづくりは決してあってはならないのです。

よりよい未来、それは過去から学びそれを最大限に活かすことが重要です。そしてこの「過去から学ぶ」という行為こそ、電研が成長してきた全てなのです。

という訳で、これから長々と私の考察と経験の電研略歴を創作していきますw

実際入部前の話なんて自分の目で見てないので曖昧な記憶と掛け合わせたただの考察に過ぎませんが…

たくさんの、電研

電研と言っても今までいろんな形態でいくらでもあったでしょう。高専祭には私の知る由もない長い長い歴史があります。その中で電気科展を盛り上げてきた今の電研的な立ち位置の団体は様々存在したでしょう。

現に、電気科の倉庫にはかなり古いものと思しき展示品の数々が置いてあります。これらは全て今に至るまでに存在したたくさんの電研で、たくさんのメンバーが、それぞれの思いを抱き製作した歴史であります。

その中には競技用のロボットのようなものもあり、そこから察するに電研の前団体も何らかの形でロボコンと関わってきたのでしょう。

今年のロボコンで奈良高専が圧倒的な強さで全国優勝していましたね。元々我が高専ではロボコンが強く、その影響力はロボコンの界隈内だけでなく、弊校の隅々にまで渡っていたといえます。

そこから技術がいくらか小さな同好会に何らかの形でシェアされていったのでしょう。これらのことから、現在の電研もそうして発展してきた一つの同好会であったと言えます。

私の知る今の直接的な電研は、膨大な高専の歴史に比較すると、ごく最近の短期間であり、何か素晴らしい歴史を持つという訳でもありません。

その始まりはこれまたロボコンから来た電気科生3人が電気科展のため今に直接つながる電研を作った?ところかららしいです。記憶が曖昧でありここら辺については確かな記憶がなく申し訳ありません…

現電研が出来たのは恐らく私が電研に入る1年か2年前の話になると思います。この時の電研は、今と別のベクトルで非常に活発でした。私が入部した2018年、広報誌に電研が取り上げられ、同年にスペースキャンプにて入賞したことと、部長の文章が掲載されています。

それに加えコイルガンやVVVF、IHなど様々な展示品を作っていた当時の先輩方の活躍は私の憧れでした。私はその時は未だ、その迫力の片隅で小物の製作してるだけの一年生でした。

小物はやがて大物へ

独学でLED Matrixの製作を始めたのは、入部した2018年でした。様々な壁にぶつかりながらするものづくり、その楽しさを実感しました。ただの柔道少年は小物を作りに次第に心を奪われていったのです。

KosenFes
LED Matrix

2018年の高専祭が電研にとって何回目の高専祭なのかは、知る由もありません。しかしこの目でしっかりと見て実感しました。電気科展は、すごかったと。

しかし次第に私はロボコン出の先輩とは別路線を敷いてモノづくりをしていきます。電研に新しいレールを敷き始めたのです。同期3人で2019年に数個展示品を製作しました。今度は小物ではなく大物です。

そのうちの一つであるリレー電卓は、先述した過去の電研の遺産であります。倉庫から掘り出した過去の遺産を独学で修理し、改良し、綺麗な状態で復活させてまた展示品として出展しました。

リレー電卓

後日、旧リレー電卓の設計に関わった大先輩が教育実習でいらっしゃって、話をしたことがあります。その時に歴史というものがいかに素晴らしいものであり、誰かが作ったモノを紡いで未来につなげる喜びを深く実感しました。

もう一つMusicRelayという展示品は、この年の春休みから開発を始めた展示品で、先輩に大量にダメ出しを食らいながらも、先輩の力も借りて実現しました。

MusicRelay
MusicRelay

私がその時非常に辛く感じていたのは、ノウハウの差でした。ロボコン出の先輩とは違い私は、独学です。そのノウハウには圧倒的すぎる差があり、ダメ出しばかりで苦しかった覚えがあります。

そのような企画を私達当時の2年生が製作したこともあり、2019年の高専祭も前年からさらにパワーアップしてよりよい展示が実現されました。私はこの年の高専祭を今でも誇りに思っています。

しかし大してノウハウをもらうことも出来ないまま、現電研を作った先輩が2019年の高専祭をもって引退します。電研に取り残されたのは同期4,5人と一個上の先輩1人でした。

再興と荒廃

私は様々な人脈を伝って電研に人を集めました。同学年同学科から数名のスカウトに成功し、電研は10名ほどに膨れ上がります。その指揮を執った新しい部長は私ではありませんでしたが、2020年に私は電研の仕組みを大きく変えました。

そのひとつとして、高専祭の担当役職を新設し、メンバーを導きました。当初新型コロナウイルスが猛威を振るい、活動時間が殆ど取れない中企画を進めるのは非常に困難でした。また高専祭もオンラインの開催を余儀なくされていました。

そんな中でも主導した企画3つを完成させオンラインとなってしまった高専祭に影響されることなく2020年の高専祭を無事成功させました。オンラインの高専祭は経験が無く初めてでしたが、柔軟な対応と発想を効かせて以後数年にわたってオンラインとなった電気科展の基盤を、まさにこの時築いたのです。

DrawingMachine

その自信を胸に、2021年を迎えるとついに電研の部長に就任します。電研の仕組みを根本から変え、組織を大きくしました。まさに最盛期であり、その部員の数は15人にも上りました。

しかし新型コロナウイルスの猛威は留まることを知らず、2021年の活動は前年よりももっと厳しいものとなりました。新しい企画を出せず、部員を教育することも出来ません。そのような状態が続き、2021年度の高専祭がやってきます。

2021年の高専祭は2020年の高専祭とほぼ同じ形式となりました。何もできなかった悔しさに打ちひしがれている私をよそに、当時4年であった同期のほとんどが引退します。

再興した電研は、一瞬にして荒廃しました。留年して3年だった私はそこに取り残され、危機感を感じて再び部員をかき集めました 。

故きを温めて新しきを知る

電研の荒廃は私の荒廃。電研の他にも様々な要因がのしかかり、2022年を迎えると2度目の留年に至ります。正直、電研は終わったとその時思いました。

しかし奇跡が起こります。新しく入った一年生がたくさん流れ込み、再び電研が息を吹き返したのです。電研は新たなステージに入り、今の電研に繋がります。

その新たなステージとは、「故きを温めて新しきを知る」であります。一番最初にお話した、過去から学ぶを実践し始めたのです。

電研に転がっていたニキシー管を時計に、遺物であったものを完全に再生したリレー電卓を光らせ、私の原点となるLED Matrixをリメイク。新しい企画を整え、一年生と共に、温故知新を実践しました。

NixieClock

迎えた2022年の高専祭。オンラインとオフラインのハイブリッド開催というこれまた新しい形式でした。しかし基盤を整えた電研と、耐え難きを耐えてきた私、ユニークな仲間が集いこれを突破したのです。

2022年の高専祭についての詳細はこちらから

未来へ

電研に入り、より良い展示を目指し続けて5年。3度目の再建を経て今の強い電研が出来上がりました。

しかし、高専祭がうまく行っても問題は山積みです。その問題を解決し、古い展示品を活かすべく新たな企画を用意しています。

独学で過去から学び、未来へと活かす。その試みが今まさに行われようとしています。新しい電研を持続可能な同好会にし、新たな歴史の1ページとして刻むのです。

これがこの5年間を通して私を含む仲間みんなで育て上げた電研という現在であり、温故知新により人の笑顔を作り出すものづくりそのものなのです。

たくさんの電研が集い何十年ものあいだ紡がれてきた歴史は、ただの柔道少年でしかなかった私が、ロボコンとは別路線で独学で築き上げたノウハウによりその歴史の1ページを刻みました。

電研生はみんなそのことを誇りに思ってほしい。それに関わりともに電研の歴史を作り上げてきたみんなが主役なので。そしてこれからのみんなの活躍に期待しています!

今日はアドベントカレンダー23日目の記事ということで、弊校にも通じるであろう(あってほしい)電研ネタを取り上げてみました。

明日はクリスマスイブ。同じく電研生として一緒に歴史を作ってきたぴか君が、面白い話を書いてくれるみたいですよ?(*^^*)

明日も楽しみにしていてください!それではまた!GoodBye!

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