電気・電子回路

電圧と電流で電気を操ろう!
電気回路の大原則

電気って何?オームの法則とは?

電子工作や電気回路の勉強を初めて、そんな疑問をお持ちの方に、一番初歩的で重要な電気回路の大原則について、お話ししていこうかと思います。

皆さんこんにちは、Jinです。いかがお過ごしでしょうか。

最近は気温も上がってきて、春の気配が感じ始めてきた頃合いでしょうか。
春というのは新しい何かをはじめるのにぴったりな季節ですね、モチベーションが沸いて何かがしたくなる。

それには人によって選択肢が変わってその数は無数に存在しますが、その数ある選択肢の中から電子工作を選んだ皆さんの役にこの記事が立てれば幸いでございます。

この記事はJLCPCBのご提供にてお送りいたしております。あわせてご確認くださいませ。

電圧と電流

電子部品は全て、電気的に働きかけたり(能動部品)、電気的に働きかけられたり(受動部品)するため、電気的な現象が根本にあり、それを回路上で動作させることで電気回路が成立します。

電気的な現象とは具体的に、半導体を用いて電流を切断(オープン)したり接続(ショート)したりするスイッチングや、物質内の電気をプラス側とマイナス側に分ける分極(誘電分極や磁化も分極)など様々です。

さて、電気的な作用を考える最も基本的な要素はやはり、電圧と電流です。小学校で一回は習ったであろう電気。電気とは何か?と言われたときに電流のことを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?(一般には電荷をもつ物質の起こす作用のこと)

厳密な解釈

まずは電流と電圧について理論に基づいたきちんとした解釈をお話しておきましょう。

電気はまるでこの世界と現象自体全く同じなのに媒体が大きく異なるいわゆる別次元の世界のようなものだと言えます。そこにはきちんとした重力も存在すれば、重力に逆らって行う仕事だって存在します。

その世界に働く重力とはつまり電場のことで、電場の働く場所で電荷は電場の働く方向(プラスからマイナス)に引き付けられます。この電場中で電荷が行い得る仕事をする能力が電気的な位置エネルギーである電圧になるという訳です。

そのエネルギーを持つ電荷が電場によって移動し、エネルギーを使い果たしたとします。するとその電荷は電圧分の仕事をしたことになり、その仕事は時には光に(LED)、時には音に(スピーカー)なります。そしてそのほとんどが振動し、波の性質を持っているのです。

電流とはそのように電場の中を流れる電荷の総量です。具体的には、ある断面積を通過する総量になります。いうなれば電圧は個々の電荷を縦に流し、電流はそれに従う電荷を横から覗いた量という訳です。

抽象的解釈

頭が混乱してきましたか?少し話を分かりやすくしましょう。

電気の世界では先述の通り、電荷の流れ(物理の世界では流束という)がポイントとなってきます。

一番身近に感じられる流れは水です。しかし水中の水分子は熱拡散によって移動しているため、ややこしいですがここでの電荷は水分子ではなく、水の単位量(単位体積当たりの水分子数)と考えてください。

最初に、水はポンプによって低い位置から高い位置に吸い上げられ、ポテンシャルエネルギーを得ます。これが電圧に相当します。

持ち上げられた水は、重力に沿って勢いよく流れ、水車を回し、低い位置に帰還していきます。この水路に流す水の単位量を足し合わせた数を、水の総量とします。

では、ここで問題です。水車を勢いよく回すにはどのようにするべきと思いますか?

正解は簡単ですね!単純に水の総量を増やしてあげるか、ポンプの力を増やしてもっと高いところまで水を持ち上げればよいのです。

つまり、水の総量を変えずに単体のポテンシャルエネルギーを増やすか、ポテンシャルエネルギーを変えずに水の総量を増やせばいいのです!

ここで単位時間に流れる水の総量は電流、水の単位量当たりのポテンシャルエネルギーは電圧に相当し、このモデルを水流モデルと言います。

縦に流す能力であるポテンシャルエネルギーを上げれば水は勢いよく流れますし、横に水を増やせば、たくさんの水が風車に当たりますよね。これが先ほどの電圧と電流の縦横関係に相当するのです。

抵抗器とは?

そしてここからが本題です。

電気回路で重要となる水の総量、電流を制御するにはどうするか、というところです。実際、電気回路ではほとんどの場合、ポンプの力を固定して、水の総量を制御しています。

水の総量を制御するときにはさまざまな方法がありますが、蛇口の例で考えてみましょう。蛇口を大きくひねると水がたくさん出ますね?

あれは電気回路ではコンダクタンス、という概念になります。コンダクタンスとはどれだけ電流を流しやすいか、を決める定数です。

身近なもので考える場合、流しやすさの方が扱いやすいですが、電気回路ではよく「流しにくさ」に注目されます。流しにくさを制御するのがレジスタンス、つまり抵抗ということになります。抵抗については別の記事で詳しく説明させて頂きます。

コンダクタンスとレジスタンスは逆数の関係ですが電流の量を決定する、という点では同じ意味合いを持つ定数です。この抵抗が電気回路では非常に重要で、最も基本的な役割を持つ成分となっています。

オームの法則

電圧、電流、抵抗についての説明は以上です。では最後に、これらをまとめて電気回路最重要原理であるオームの法則についてご紹介していこうかと思います。

今までの話を整理すると、コンダクタンスを上げると(抵抗を下げると)電流が多くなり、コンダクタンスを下げると(抵抗を上げると)電流が少なくなる、ということでした。

また、電圧を上げると水の速度が増し電流が増え、また電圧を下げると水の速度が減り電流が減ります。

この相互関係をまとめると、電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する(コンダクタンスに比例するため)ことが言えます。この法則をオームの法則と呼び、以下の式で表すことが出来ます。

$$I=\frac{V}{R}=gV$$

ここで、I:電流、V:電圧、R:抵抗、g:コンダクタンス、となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は少し電磁気チックな話をさせて頂きましたが、電磁気ではもっとミクロにこの現象を見、オームの法則はその一環で導出することが出来てしまいます。

電気回路の観点からすれば、水流のモデルでオームの法則を理解することが出来れば、これからの学習がより進むと思います。

電磁気的な話はまた別の機会にするとして、次回は抵抗の話をしていこうかと思いますので、是非ご覧ください!!

また、ご提供いただいているJLCPCBの方も併せてご覧ください!

それではまた!GoodBye!!

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