電気・電子回路

見えない電気をどうやって溜め込む?
コンデンサの原理と使用法

コンデンサって何?どうやって使うの?

電気工学でもよく聞くコンデンサという部品。今日は、そんなコンデンサについて、役割と使い方について、ご説明しようかと思います!

皆さんこんにちは、Jinです。厳しい暑さが続く夏も終わりに近づいていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

電子工作では恐らく一番身近に感じられるであろう、コンデンサについて詳しく理解を深めることで、より電子工作で作れるものの幅が広がると思いますので、是非最後まで読んでいってください!

この記事はJLCPCBのご提供によりお送りしております。併せてご覧くださいね。

コンデンサとは?その役割と仕組み

コンデンサという電子部品は世の中に存在する数多くの電子部品でも一番基本的な部品であり、しかしどんな回路でも重要となってくる素子です。

働きとしては、電気を溜める=蓄電の働きを持ちます。蓄電って、電池!?めちゃくちゃ難しそう!と、思ってしまいがちかもしれません。

構造

しかし仕組みとしては非常に簡単です。おそらくこれまで解説してきた、抵抗器やトランジスタなんかよりも簡単な構造をしています。その構造は、下の画像のようになります。

難しそうに感じるコンデンサは、図のように非常に簡単な構造で表されます。

誘電体と呼ばれる物質を、金属の板でサンドイッチにしているだけです。金属と金属が絶縁体によって触れ合わないようにする=オープン状態となっていて、実世界の様々なところで同じような仕組みが存在します。

仕組み

ではこんな簡単な仕組みでどうやって電気を溜めているのでしょうか。実際に通電してみた図を、分かりやすいよう下のようにまとめてみました。

誘電体は、別名を絶縁体という通り、電気抵抗が非常に高く電気を通しにくい物質です。しかし、この絶縁体も内部には分子が存在し、それによって構成されています。

分子は+の電荷をもつ陽子と、ーの電荷をもつ電子が結びついて構成されています。それではこの分子を、電場中に置くとどうなるでしょうか。電場については、以下の記事で詳しく説明しているのでそちらをご覧ください。

この誘電体を電場の中におくと、各分子がそれぞれ+側と-側に引き寄せられ、全体的に電位的な偏りを持ちます。この現象を、誘電分極と呼びます。

この誘電分極により、コンデンサには電荷が溜められます。これがコンデンサの持つ「電気を溜める」という役割そのものになります。

これにより溜められた電荷は電圧を0にしてもすぐには無くなりません。このような場合、電荷は溜められた方向から逆方向に流れ、コンデンサが放電します。この放電時間は、溜められる容量抵抗値などの回路定数によって変化します。

このように電圧を変化させてもすぐには状態が変化せず、遅れて反応するような現象を過渡現象と言います。

電子部品として

コンデンサの回路図は以下のようになっております。

コンデンサの構造そのまま図に起こした感じで分かりやすいですね!

コンデンサには極性付きのものもありますが、働きとしては無極性とほとんど変わりません。

先述の過渡現象により、コンデンサには電圧の変動を和らげる効果があり、それによって電気回路では様々なところで多用されています。

コンデンサの種類

コンデンサには中に挟む誘電体や、その挟み方の構造の違いにより様々な種類があります。

セラミックコンデンサ

セラミックコンデンサは、恐らくコンデンサの中でも一番使用頻度が高いコンデンサになるのではないでしょうか。見たことがある方もいるかもしれませんが、画像のように「青い丸いやつ」や「茶色い可愛いやつ」がこれになります。

誘電体にはセラミックを使用しており、熱に非常に強いです。また高周波の領域でインピーダンスが小さいことから、高周波回路に使用されることが多いです。

電解コンデンサ

電解コンデンサは、「黒いやつ」です。よくイチケンさんが破裂させていますね(;^ω^)

この動画に「逆接」とあるように、電解コンデンサには極性があるものが殆どです。極性を誤ると動画のように破裂してしまうので注意が必要です。

誘電体には酸化被膜を使用し、その構造から電気容量が小さいものから大きいものまで幅広くあり、特に大きな容量の電解コンデンサだとその容姿から「水筒コンデンサ」などと呼ばれ親しまれていますね^^

フィルムキャパシタ

フィルムキャパシタは誘電体にプラスチックのフィルムを用いており、耐圧が高いのが特徴です。耐圧というのはコンデンサが耐えられる電圧のことで、これを超えると破裂してしまいます。

コンデンサの使用方法

電圧の変化を和らげるという効果は、電気回路では主に平滑やフィルタリング、発振回路などに使用されます。

平滑

詳しくは別の記事で取り上げますが、交流電圧から直流電圧に全波整流回路を通して変換を行った時、変換後の直流電圧の変動は非常に大きなものです。

また、チョッパ昇圧回路などを用いた場合でも、大きな電圧の変動(リプル電圧)が発生してしまいます。

こういった電圧の変動に、コンデンサが非常に効果的で、電圧を制御するような回路では大抵コンデンサによる平滑が行われます。

他にも、ICの電源供給などでは、余分なノイズが入らないようにICの近くにバイパスコンデンサとしてコンデンサを配置することがよくあります。

フィルタリング

コンデンサは先述の過渡現象により、電圧が変化すると電流を流すといった特性があります。

このように「直流を通さず、交流を通す」という役割も兼ねているため、低い周波数の信号を遮断し、高い周波数の信号のみのフォーカスをあてる、というような使い方も出来ます。

このような回路をフィルタ回路と言い、フィルタ回路にはコンデンサが必要不可欠です。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

コンデンサは非常に応用範囲が広く、ページ一つでは簡単にしか触れられません…今後この素子を使った様々な回路について解説していきたいと思いますので、是非ご期待ください!

この記事はJLCPCBのご提供により発信しておりますので、併せてご覧になってください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!GoodBye!

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