レビュー

くねくねと曲がり変化自在!
フレキシブル基板を試してみた

クネクネと曲がる基板がほしい!フレキシブル基板って難しい?値段は?

そんなお困りごとはありませんか?フレキシブル基板、難しそうだけど使いこなせると便利そうですね!

みなさんこんにちは、Jinです。いかがお過ごしでしょうか。最近は寒さもピークを迎え、かなり冷え込む日が続いていますが、体調には気をつけて生活してください。

さて、今日は昨年JLCPCBさんにフレキシブル基板を発注し、初めてフレキシブル基板を試してみたのでその感想とレビューをしていこうかなと思います。JLCPCBさんのサイトも併せてご覧ください!

フレキシブル基板とは?普通の基板とどう違う?

フレキシブル基板は、その名の通りフレキシブルな基板です。フレキシブルというのは英語のflexibleのことで、直訳すると「曲げやすい、柔軟な」という意味になります。

フレキシブル基板に対して、一般的に使用されている硬いプリント基板は、rigid(硬い)という単語を使用し、リジット基板といいます。

では、なぜフレキシブル基板は普通のリジット基板と違って、柔らかくくねくねと曲げることができるのでしょうか。それは他のPCBとの構造的な違いにあります。

一般的なプリント基板は上図のような構造を示します。プリント基板の製造工程などの記事をもうじき執筆する予定なので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。

PCBは基本的にCADなどで設計した、部品(実装前ではランドのパターンのこと)と部品間の配線を銅箔で印刷した基板です。そしてこの銅箔は、「基材」と呼ばれるベースとなる材料の上に印刷されます。

そしてこの「基材」こそが、基板の柔らかさ耐久性などを決める重要なパラメータとなります。

フレキシブル基板の材質について – P板.COMより

リジッド基板には基本的に、基材には金属のものやガラス繊維に樹脂をしみこませたもの(FR4という)を使用します。そのため、しっかりと硬い基板ができます。しかし対象的に、フレキシブル基板の基材にはプラスチックベースのポリイミドと呼ばれるフィルムが用いられます(上図参照)。

そのため、フレキシブル基板ではリジットと違い、プラスチック特有のクニャクニャ感を出すことができます。

一般的にPCBでは配線をする面を層とよび、基板の片側に一層だけある片面基板、基板の両側に一層ずつある両面基板、基板の内部にいくつか層を含ませる多層基板があります。

しかしフレキシブル基板にはこのベースの都合上、最大でも両面の二層までしかありませんので、注意が必要です。(フレキシブルに多層を求めることはあまりないとは思いますが…)

フレキシブル基板の発注方法

さて、フレキシブル基板について理解を深めたところで、次は気になるお値段や発注方法について説明していこうかと思います。

今回はJLCPCBさんにご提供いただいておりますので、そちらでのやり方をご紹介させていただきます。まず、JLCPCBの注文ページを開き、ガーバーデータをアップロードします。

ガーバーデーターはCADによって微妙に出力方法が異なるので注意してください。

ガーバーデータをアップロードすると、自動的にサイズが選択されます。間違いがないか確認すると、次にメニュー画面の「Base Material」の項目から「Flex」を選択します。これでフレキシブル基板で発注することができます。特になにか特別な設定が必要なわけではないので、簡単ですね!

その他層数数量などはお好みで設定してください。それ以外の設定項目はこだわりなければ特に設定する必要もなく、デフォルトで大丈夫でしょう。

LEDテープにするため、横幅が40cmと非常に大きなサイズであるにも関わらず、費用は送料込でUS$30、日本円で4000円ほどでした。正直非常に安いと思います。

先述したとおり、フレキシブル基板は普通のリジット基板とは訳が違うので、Layerが二層しか選べなかったり、レジストの色が3色しかなかったりと、色々と制約は付きますが、それでもこんなにも手軽にフレキシブルなPCBを発注できるのは、非常に便利です。

項目の設定が済んだら、次は輸送方法お支払い方法等の設定をしなければいけません。画面内の案内に従えばできるとは思いますが、一応上の記事にて紹介していますので、不明な点あればそちらをご覧ください。

フレキシブル基板、楽しい!

実際に頼んでみました。黄色と白色のみの選択肢だったので悩みましたが、今回は白色のレジストで発注してみました。全体としては下の画像のような感じになっています。

LEDテープのようなものを作ろうと思って発注したのですが、ちょっとパッドが小さくて使いづらかったです(これは私の設計上のミスなのでJLCPCBさんの基板が悪いというわけではありません)。

また、フレキシブル基板でリフローするときは基板が反り返ってしまうので温度は低いほうがやりやすいです。

フレキシブル基板、柔らかいだけにちょっと実装するときは注意が必要ですね。

実際にLED等を実装してみました。きれいに光っているのがわかります。

基板自体はものすごくよくできていて、価格も思ったほど高くありません。知り合いの教員によりますと、一昔前ではこの価格でフレキシブルでそれも二層もある基板を手に入れられることはまずなかったそうです。

提供いただいたものですが、完成度は非常によく、価格も安いということで、なかなか良い買いものとなりました。

まだ他の基板会社のフレキシブル基板は試していないのですが、JLCPCBさんのものだけでも非常に手軽に感じられ、満足するほどでした。皆さんも是非、JLCPCBでフレキシブル基板を発注してみてくださいね!

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は、フレキシブル基板を設計し、実際にJLCPCBさんに発注してみました。くねくねと曲がる面白い基板が、安く高い品質で発注することができます。

リジット基板もそうですが、CADで基板を設計し、設計した基板が実際に手元に来るのは非常にワクワクする感覚があります。

リジッド基板よりも自由度が高く、アイディア次第で様々なものに使用できそうなフレキシブル基板。この記事を読んでゾクッときたあなたは、お持ちのデバイスでCADを開き、そのアイディアを早速形にしてみよう!

アイディアがカタチになったなら、JLCPCBさんのサイトで発注をしましょう!

それではみなさん、また次の記事でお会いしましょう。GoodBye!!

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