ニキシー管の時計を作りたい!マイコンを使わずに時計を作りたい!
ニキシー管時計、暖かみのある表示で非常に魅力的ですよね。またどうせならマイコンを使わずにロジックで時計を組んでみたいと思いませんか?
そこで今回は、前回に引き続き完全にロジックで製作するニキシー管時計の設計をお話していこうと思います。
こんにちは、Jinです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
夏の終わりも近づいており、そろそろ過ごしやすい紅葉のシーズンとなろうとしており、秋が待ち遠しい限りですね。
今回は完全にロジックを使用したニキシー管時計の設計について、お話ししようと思います。こちらの企画ではJLCPCBにて発注を行っております。あわせてチェックしてみてださい。
発振・分周回路
前回、この時計を5つのブロックに分けてご説明いたしました。その一つ一つのブロックについて、設計を公開していこうと思います。
現段階では未だ動作が確認できていないのですがシミュレーションでの確認は行っております。
発振には水晶発振器を用いています。そこから10進バイナリカウンタの74hc390を用いて分周し、目的の周波数(1Hz)を出力しています。
今回のクロック源は10MHzとなっていますので、10進カウンタは7個はさんでいます。
電源はテスト用にDCJackを用いていますが、実際使用する際には電源回路の5V入力を使用します。
続いてプリント基板です。水晶発振器が1つ、その横にIC4つというシンプルな構成です。
高周波の回路になりますので、GNDをべたにしないとダメなそうです。
またこの回路を実際にブレッドボードに組んで波形を確認しようと思っていたのですが、高周波の回路は配線が長いと上手く動作しないらしく、確認が出来ませんでした…
カウンタ回路
次にメインとなるカウンタ回路です。
1Hzまで落としたクロックを秒の60進、分の60進、時の24進に分けています。
この回路図ではs1とs2のように2桁分の表示を分けて行っているのですが、これは時間を合わせるときやりやすいようにするためです。
例えば0~59までを1つのボタン入力で設定しようとするとかなり大変ですよね。そのために1桁目の6進(0~5)、2桁目の10進(0~9)を分けてカウントすることによって簡単に合わせられるようにしています。
これらのカウントした出力はピンヘッダを通して次のデバイス(デコーダ)に送られます。
こちらはプリント基板の実線配線図です。J1にはボタン入力を受け、J2~J5が次の基板に接続されて繋がっていきます。
見て分かりますが配線が多く非常に複雑で、昔はこれを手動で配線していたのですが最近はもうKiCADの自動配線しか体が受け付けなくなりました。老害です…
電源回路
電源回路、昇圧の部分は部品をそろえるのがかなり大変なのでaitendoの昇圧キットを使用しました。
mc34063を用いたチョッパの昇圧回路です。PWMのデューティ比によって電圧を上げたり下げたりできます。
IC出力用の5Vは3端子レギュレータという電圧を熱に変換する部品を用いて12Vから降圧しています。
このようにして12Vの入力からニキシー管用の強電、IC用の弱電を作っています。
続いてプリント基板です。今回も自動配線を使用しました。J2から3つの電圧が出力され、最後のデコーダ、点灯回路へとバトンタッチしていきます。
デコーダ・点灯回路
最後のデコーダと点灯回路になります。
74141という便利なICがあり、デコーダとニキシー管のカソード側制御が一体となっており非常に簡単に制御することが可能でした。
それぞれのカウント入力信号をデコードし、ニキシー管のカソードに入力しています。
またニキシー管のアノードには抵抗を介して昇圧した電圧を印加しております。
細長くなりましたがこちらが最後のプリント基板になっています。
ピンヘッダで段ごとに接続していくのですが、少しわかりづらいと思いますので3Dに起こしてみました。
まず右下にクロックと分周器が入ります。
次に上に来て2段目にそれをカウンタするカウンタ回路、その上のデコーダ・点灯回路へと信号が送られます。
電源関連は左下の電源回路が変換を担い、3段目を介して全体に共有されます。
あとこの接続だと少し基板がぐらついて安定しないと思われますので、筐体を作る予定です。
さいごに
いかがだったでしょうか。マイコンを用いずにロジックで設計した回路を一気に解説してみました。
やはり便利な時代になったからこそ、ブラックボックス化によりその中身が分からないということが多くなってきています。こういった製作を通してそれらを見えるようにしていくのは非常に勉強になっていいです。
次回はこれをJLCPCBに発注し、実際に製作して動作させてみようと思いますので、是非チェックしてみてください。
それではまた、GoodBye!!