リレー電卓

大昔のリレー式電卓を蘇らせる!?
第1回「リレー電卓とは」

電卓の歴史をガラッと変えたリレー電卓。

この企画ではそんな古き良き文化であるリレー式電卓を再現し、その構造について理解を深めていこうと思います。

皆さんこんにちは、Jinです。いかがお過ごしでしょうか。

今回はリレー電卓の記念すべき第1回の記事となっており、再現しているリレー電卓の概要についてお話していこうかと思います。

この企画ではJLCPCB様に基板を提供していただいております。そちらも是非チェックしてみてください。

またこちらの記事では発注方法を記載しております。ぜひご覧ください。

リレーとは

リレーを見たことある人はなかなかいないでしょう。リレーは下の画像のような外見をしています。

それではこのリレーについて、解説していこうと思います。

リレーの仕組み

リレー電卓というのは計算にリレーという電子部品が使用されています。

リレー!とときいてパッどんなものか思い浮かべられる人は少ないと思いますので、リレーの説明からしていこうと思います。

簡単に説明すると、リレーはコイルで切り替えるスイッチです。下のような構造をしています。

端子Aから端子Bに電流が流れると、このコイルに磁界が発生します。これは電磁石の原理です。

するとその磁石によってスイッチの根元にある鉄が磁化し、電磁石側に引き付けられることによってスイッチがONになるという仕組みです。

スイッチで電卓?という疑問が浮かび上がってくると思いますが、まさにその通りなんです。現在流通している電卓は全てトランジスタという部品で演算を行っていますが、このトランジスタもスイッチなのです。

トランジスタというのは半導体であり、スイッチを切り替える原理自体は相違あるものの、電卓全体としてスイッチで演算するというのは同じ仕組みなのです。

シーケンス制御

JIS規格にはシーケンス制御について、あらかじめ定められた順序又は手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御。と記されています。

リレーやダイオードはスイッチという話をしましたが、そのスイッチのON/OFFを順番に繰り返して決められたルートを順次実行していくといった制御方法がシーケンス制御になります。

このシーケンス制御にもリレーのように物理的な接点のある部品で構成されている有接点シーケンスと半導体のように物理的な接点がない部品で構成されている無接点リレーに分けられます。

プログラミングやPLC(シーケンサー)による制御では制御が可変なのに対し、今回設計している有接点シーケンスは回路が決まっており、可変することが出来ません。

しかし回路がもろに露出されているため、どのような制御を行っているか目で確認することができます。

電卓とは

さて、それではこの電卓を構成する部品について理解を深めたところで、電卓についてお話ししましょう。

人は夢を見ました。その技術によって計算を速くできるツールを何とか作ることは出来ないであろうか。その夢は数々の科学者や企業を電卓の舞台へ突き動かしていくことになります。

電卓の歴史

電卓には、非常に長い歴史があります。時代を追うごとに数学や工学が発展すると計算量が増していき、それに対するツールが必要になっていきます。

そしてそれによって誕生し発展してきた電卓は、逆に数学や工学の発展をサポートしてきたという風にも見ることができるでしょう。

まず、歯車を組み合わせて演算を行う機械式の電卓が誕生し、その後電気的な素子を用いた電気式の電卓が誕生します。

では順に、電卓の歴史を見てみましょう。

圧力の単位で知られるパスカル、彼は自然科学や数学など多方面であらゆる才能を発揮していましたが、まさにその英知とでもいえるのは機械式電卓の発明でしょう。彼は17歳の時に世界で初めての電卓であるパスカリーヌを発明します。

この発明は電卓の歴史でも非常に重要なものとなりますが、この研究に没頭しすぎたパスカルは体を弱らせ、寿命を縮めててしまったと言われています。

その後、2進数を提唱した天才ライプニッツが多機能な機械式電卓を完成させます。段付き歯車などのメカニズムがのちの機械式電卓に影響を与えました。

その後ライプニッツの計算機を改良したものがどんどんと製品化されて市場に売り出され、電卓という文化が広まっていくのです。

モーターが開発されると、機械式の電卓は次第にモーターを使用した電気式のものに移っていきます。

モーターを主体とした電気式電卓が出たのち、リレー式の電卓が開発されます。リレー式の電卓が出たのちにトランジスタなどのものが開発されていき、今日のコンピュータに至るという訳です。

電卓の構成

現在使用されている電卓はほとんどが同じ構造をしています。

基本的な構成は下の画像のようになっています。これをそれぞれ順に解説していきます。

入力機

人が演算する式や値を入力する装置です。ここでは入力をキーボード(テンキー)にて行います。この基板はJLCPCBにて発注をしております。良ければチェックしてみてください。

エンコーダ

人が入力機で値を入力するとき、10進数で入力します。しかしコンピュータが扱えるのはスイッチのON/OFFの2通りで、つまり2進数です。

2進数で計算するためには10進数の変換が必要になりますが、それを担うのがこのエンコーダという装置です。

エンコーダは基本的に10進数から2進数へのエンコード処理がメインですが、今回のリレー電卓では自己保持回路という信号を保持するための機能も担っています。

加算器

電卓のメインである計算を担う部分です。四則演算の中でも足し算がメインで、乗除も少し手を加えている足し算という捉え方をします。

加算器には並列加算器と直列加算器の2通りありますが、今回のリレー電卓では並列加算器を用いております。

このメインの演算処理部分がコンピュータでは非常に重要であり、ビット数やクロック周波数なども全てがこの演算処理に関わることになります。

デコーダ

さて、加算器にて演算が完了すればやはり普通に生活するうえで2進数で出力されると困ってしまいますよね。そこで次はエンコーダの逆の処理をしてあげないといけないわけです。

エンコーダの逆の処理で、次は2進数を10進数に再変換しますがこの処理を”デコード”といい、デコードする装置のことをデコーダといいます。

表示器

デコードした10進数の信号を人に分かる形で表示させましょう。それを担うのはこの表示器であり、LEDやディスプレイなどに表示を行います。

最後に

いかがだったでしょうか。今回はリレー電卓の第一回の記事ということで、電卓の歴史やリレーの解説などをお話ししました。

次回以降はこの電卓やリレーの知識を用いて、実際に再現したリレー電卓の構造の解説を行っていこうと思いますので、是非チェックしてみてください!!

機械式電卓から電気式の電卓に移り行く古い時代を象徴するリレー式の電卓ですが、今でもコンピュータにその構造は行かされているのです!過去があるから、今があると考えるとなんかワクワクしますね!

それではまた!GoodBye!

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