EleMagHarmony

磁石の力でギターを自動演奏!?
第1回「デンジギターの概要」

ギターを自動で演奏したい!けど良い機構が思いつかない…

そんな困りごとをお持ちの方がいるかと思います。そこで私が発案した自動演奏装置「デンジギター」という企画についてご説明いたします!

皆さんこんにちは、Jinです。いかがお過ごしでしょうか。

今回はEleMagHarmony追加の新企画「デンジギター」についてのご紹介です。EleMagHarmonyについては以下の記事をご覧ください。

このデンジギターはエレマグプロジェクトの中で最後の、そして一番大きな楽器となる予定ですので、ご期待ください!

今回もJLCPCBにて基板を発注しておりますので、併せてご覧くださいませ!

企画発案の経緯

EleMagHarmonyにはこれまで、メロディを担当するステッピングモータソレノイド、ベースを担当するMusical Floppy、ドラムを担当するMusic Relayなど、合計4つもの楽器を開発し、それらを合わせてドラムを成立させていました。

しかしドラムに必須のあいつがいないこと、もう皆さんお気づきですね?そう、ギターがいないのですよ。

ギターの自動演奏に関してはMusicRelay開発中の2年間もの間、大きな課題として存在しておりました。というのも、エレキギター自体、部の同期が作成したものが実は存在しています。

電研ギター

しかしその同期にも私にも機構の知識や技術がありませんから、3Dプリンタで作ろうとしたこともありましたが自動演奏はまったくもって上手くいきませんでした。

また、人間が演奏するギターと、コンピュータが演奏するMusicRelayを掛け合わせた、Human x Electric Performanceという企画も2020年度高専祭にて実現しますが、当初予定していた自動演奏には遠く及びませんでした…

そういった課題を抱えたまま、EleMagHarmonyという大きなプロジェクトを打ち出し、楽器開発を進める経験を積んでいくと、物理的な機構を全く新しい電磁気的な発想で弦を振動させる案を思いつきます。

楽器開発とは非常に面白く、別の楽器がヒントとなり得ることもあります。私の発案した方式では、複雑な機構を作成しなくても高速に弦の周波数を変えられるのではないか、という希望が湧きました。

そこで今回、そういった自動演奏にふさわしい企画名「デンジギター」と名付け、この企画を打ち出しました。と言ってもまだ原理の実験段階に過ぎませんが…(;^ω^)

私が発案した弦の振動方式は以下の2つに分かれます。ダイレクト振動方式は発想自体が非常に面白く、実現できれば面白いのですが、非常に難しくなっています。

2つ目の間接振動方式では、すでにEleMagにて実現できた方法ですので、すぐにでも実用が可能となっています。それでは、それぞれについて詳しく解説していこうと思います。

ダイレクト振動方式

ダイレクト振動方式は、その名の通り直接弦を振動させる方式です。と言っても、ググって出てくるような様々な機構で駆動するようなものではなく、本当に直接弦を動かす方式です。

どのように弦を振動させるかというと、ギターの振動を受け取って電磁誘導で電気信号に変換させるピックアップの逆で、ギターの弦に磁場を与え、電磁誘導の法則を使用して弦を振動させるというものです。

これには弦自体の磁気特性が非常に重要になっており、強く反応させるためには強磁性体メッキをする必要があるように感じます。

そのため、案としてはまず、磁粉スプレーで磁石の粉を弦に吹き付けます。その弦にコイルで磁場をかけて動くのであれば簡単ですがそううまくはいかないと思います。

そこで、何かしら物理的な振動を与え弦をはじき、その弦の振動数を抑制させるような磁場をかけてやります。

まだ構想段階で上手くいくかは実験次第ですが、発想としてはこんな感じになります。

間接振動方式

これは既にEleMagHarmonyのメロディ担当:ソレノイドにて実現した振動方式の応用として、その振動板を弦に置き換えて振動させるというものです。

ソレノイドに周期的なパルスを送り、パルスの周波数を音階に設定します。その振動を木の板ではなく、弦に伝えることで、弦の振動を物理的に起こすというものになっております。

これは確実に弦に振動を伝えることが可能ですが、振動自体が弱くなる可能性があり、その振動をPickUPが拾えるかが課題になります。

これは発想自体は使いまわしなので、先述のダイレクト振動方式が不可能であった場合に採用しようと思っております。

今後にご期待ください!

ミュート対策

自動演奏で肝になってくるのが、ミュートできるか否かでしょう。ご安心ください。

先述の振動方式のどちらかで充分な弦の振動を得られることが可能となれば、ミュートは簡単です。ゴム片を付けたソレノイドを弦に押し当てて振動させれば、ミュートすることが可能です。

これは以前実際にゴムを押し当てて実験してみましたが、ゴムを押し当てると振動が上手く打ち消され、ミュートすることに成功しました。

しかしそこにも課題があり、それはその応答性です。例えばゴム片を押し当てるのに時間を要していれば、次のノートの情報に間に合わなくなってしまいます。これを解消するには恐らく弦の制御も工夫する必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回はギター自動演奏装置「デンジギター」について発案した理論について簡単にまとめてみました。

まだ実証中のものが多く、確実な子とは言えずに申し訳ないのですが、次の記事を上げる頃には結果をご報告いたします。

今回は概要ということで、これから実証していく理論の紹介とさせて頂きます。

今回の記事をもって、EleMagの連載を一時打ち切りとさせて頂き(実験するお時間いただきます)、次回より少し別の企画と引き続き電子部品の解説記事を上げていこうかと思いますので、ご確認くださいね!

また今後、このプロジェクトではJLCPCBのご支援をいただきます。ぜひご覧くださいませ!

それではみなさん、次回の記事でお会いしましょう!GoodBye!!

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